2018年7月28日土曜日

ペリー提督への贈答品と相撲取

嘉永7年(1854年)正月、ペリー提督は、7隻の軍艦を従い浦賀沖に再来航し、江戸湾内深く神奈川宿沖まで航行、神奈川湊に停泊した(遅れて2隻来航、計9隻となる)。2月10日、ペリーは、将兵約500人を率いて横浜応接所に上陸、日米和親条約の締結に臨んだ。交渉は、2月19日・26日・30日と続いた。交渉が行われた2月26日、アメリカ側から贈られた電信機や小型蒸気機関車の返礼として、幕府からは、漆器、磁器、絹織物など数多くの品々が贈られた。また、艦隊用食料として、米300俵、鶏300羽も積み込まれた。米俵の積み込みには、大勢の相撲取が動員され、一度に、8俵の米俵を持ち運んだ強者もいたとのことで、アメリカ側を大いに驚かせた。

画像:江戸時代の古文書を読む ペリー来航(徳川林政史研究所)より転載
1「国王」アメリカ大統領 2「広蓋(ひろぶた)」盆状の容器 3「手爐(しゅろ)」手あぶりのこと 4「匹」織物二反分を一つの単位とした呼称 5「羽二重」糸に撚りをかけない、生糸を使った平織りの織物 6「板〆」折りたたんだ布を2枚の板で挟み、染料に浸して染める染め方 7「石火矢(いしびや)」石や鉄の塊などを発射する武器 
国王へ
一 蒔絵硯箱 一つ
一 同 机  二脚
一 書 棚  一 
一 広 蓋  二組 
一 蒔絵花生 一組
一 同 手爐(しゅろ) 二組 
一 置 物  一つ
一 紅羽二重 十匹
一 白羽二重 十匹
一 紋縮緬(もんちりめん) 八匹
一 板〆縮緬(いたじめちりめん) 十匹

船大将十九人へ
一 紅羽二重 五匹ずつ
一 板 〆  三匹ずつ

通詞弁官
一 板 〆  三匹

使節へ
一 蒔絵硯箱 一つ
一 紅羽二重 三匹
一 白羽二重 二匹 
一 紋縮緬  三匹
一 板 〆  三匹

一 惣士官五十六名へ
一 吸物椀  十人前ずつ

乗合惣中へ
一 米    五斗入り三百俵
一 鶏    三百羽

長さ三十八間
巾 十五間
帆柱三本
石火矢六挺 大筒十八挺
水車四間半 水に入る所四尺余 一艘乗り込み三百人余

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