2018年9月29日土曜日

走水水源地

横須賀市では、水源地となるような大きな川や湖は無く、水道水は遠く離れた相模川や酒匂川から送られてくる。市内唯一の水源地は、「走水水源地」である。この水は湧き水で、「ヴェルニーの水」と名付けられ、ミネラルを豊富に含み、美味しいことで有名である。ヴェルニーは、フランス海軍の技師で、幕末の1865年(慶応元年)、江戸幕府の勘定奉行小栗忠順の進言により、横須賀製鉄所(後の横須賀造船所)の首長として招かれた。ヴェルニーは、製鉄所で使う水が不足したため、走水水源地から製鉄所までの引水を計画し、走水水道トンネルを掘り、5インチ土管を敷設、明治9年(1876年)に、自然落差を利用した走水〜製鉄所間、約7kmの水道工事が完了した。走水の煉瓦造貯水池は、今なお現役施設として活躍し、平成28年(2016年)4月、日本遺産に認定された。
なお、明治41年(1908年)には、覚栄寺裏山(走水)にある「滝の井戸」と呼ばれる湧水を利用した貯水池が完成、大滝、若松、小川町の住民に給水を開始した。現在、この貯水池は廃止され、当時の痕跡が僅かに残るのみである。

横須賀製鉄所首長ヴェルニー胸像
走水水源地説明板
走水煉瓦造貯水池(日本遺産認定)
走水水道トンネル説明板
走水水道トンネル(走水隧道)、現在は走水~馬堀間の交通トンネル
走水~横須賀製鉄所間の敷設水道管(5インチ土管)
横須賀明細弌覧図(明治18年版、日本遺産認定)
製鉄所に「水溜」の記載がある。走水から引いた水道水を蓄えていた。
横須賀製鉄所の当時の様子
横須賀製鉄所跡(現在、米海軍横須賀基地)
米海軍横須賀基地のイージス艦
覚栄寺説明板
お堂の右手奥には「滝の井戸」と呼ばれる湧き水があり、
裏山の湧水は「市の水道水源地となっていた」との記載あり。
覚栄寺
覚栄寺裏山の「滝の井戸」貯水池跡

2018「よこすか」秋のイベント

よこすかで開催される秋のイベント情報です。「開国の街~ヨコスカ」、「風を感じる街~Yokosuka」で、秋のイベントを楽しんでください。

「広報よこすか10月号」より転載
1 くりはま花の街フェア・秋

2 按針フェスタ

3 うみかぜストリートカフェ

4 ヴェルニー公園秋のローズフェスタ

5 よこすかみこしパレード

6 Y・フェスタ追浜

7 観音崎フェスタ

8 よこすか産業まつり

2018年9月25日火曜日

中秋の名月

9月24日は「中秋の名月」、お月見をする日だ。心配された雲も消散し、美しい中秋の名月が出てきた。今年は9月24日が中秋の名月、翌日の9月25日が満月である。中秋の名月と満月の日付が1日ずれているが、これはしばしば起こることのようだ。日本では「十三夜」でも、お月見をする習慣がある。今年の十三夜は、10月21日である。読売新聞朝刊号(9月25日)に、中秋の名月と東京スカイツリーの印象的な天空コラボ写真が掲載された。
雲に隠れて、中秋の名月が見られないことを「中秋無月」と言う。「無月」は、秋の季語でもある。

屋根の上の中秋の名月
中秋の名月(2018年9月24日)
お供え月見だんご
東京スカイツリーの向こうに浮かび上がる中秋の名月
読売新聞朝刊号(9月25号)転載

2018年9月22日土曜日

コウノトリ「きらら」ようこそ横須賀へ

野生のコウノトリは、1971年に絶滅したが、現在、人工繁殖による野生復帰計画が遂行中である。2005年、兵庫県豊岡市が初放鳥に成功して以来、徐々に生息数が増え(約100羽)、全国各地でその飛来が報告されている。9月13~17日、横須賀市長井でも、千葉県野田市で放鳥された今年3月生まれで雌のコウノトリ「きらら」の飛来が確認された(読売新聞報道)。幸せを運ぶ鳥、コウノトリが、日常的に空を舞う日も近付いてきた感じだ。

コウノトリ(Wikipedia転載)
コウノトリ「きらら」横須賀市長井へ飛来
読売新聞転載(9月21日朝刊号)

2018年9月20日木曜日

「北海道ブラックアウト」原因究明へ

 2018年(平成30年)9月6日3時7分、北海道胆振東部地震(震度7)が発生し、全道が停電するという前代未聞の「ブラックアウト」現象が起きた。「ブラックアウトの発生原因は?」、「北海道以外は大丈夫?」。数々の疑問が沸く。読売新聞に、「ブラックアウト」の貴重な記事が掲載された。

 以下の「説明文」、「画像」は、読売新聞朝刊号(平成30年9月20日)からの転載である。

 経済産業省などは19日、北海道のほぼ全域が停電した「ブラックアウト」について、本格的な原因究明に乗り出した。これまでの調査では、6日午前3時25分のプラックアウト直前の1分間に、苫東厚真火力発電所1号機(出力35万kW)の停止などが連鎖的に起き、プラックアウトに陥ったことが判明している。
 まず3時7分に地震が発生し、直後に苫東厚真2号機、4号機が緊急停止。 一方、1号機は出力が10分の1程度に低下しながらも、発電を続けた。しかし、ブラックアウト直前、1号機も停止した。
 経産省はその原因について、地震に伴うボイラー配管の損傷で蒸気が漏れ、出力が低下したとみている。1号機の停止後、知内、伊達、奈井江の各火力発電所も後を追うように停止し、電力の供給量(発電量)が急速に減少し、電力需給のバランスが崩壊した。
 調査の焦点となるのは、1号機の停止後、北海道電が一部地域を強制的に停電させて需要を減らし、需給バランスを回復させようとしたのに、機能しなかった原因だ。
 電力は需要と供給のバランスが崩れると、周波数が乱れて発電機が損傷する恐れがある。このため、強制停電は地震発生後に2回実施されており、46〜47Hz台に急落した周波数を通常の50Hz付近まで回復させることに成功していた。
 1号機停止後の3回目の強制停電によって周波数を回復させることができていれば、道内全域に停電が広がる事態をぎりぎりで防げた可能性がある。経産省などは、この強制停電がどう機能したかを検証する。
 1回目と2回目の強制停電で一時的に回復した周波数が、なぜ再び乱れたかも検証課題となる。
 経産省は、地震に気づいて目を覚まし、電気をつける家庭が急増したことで電力消費量が一気に増え、需給が逼迫していた可能性があるとみている。北海道電は、苫東厚真以外の火力発電所の出力を上げるなどして需給バランスを安定させようとしたが、周波数は激しく変動した。
 ブラックアウトに至る経緯について、北海道電の対応に問題がなかったかも検証の対象となる。経産省幹部は「現時点で人為的ミスは把握していない」としている。経産省の認可法人「電力広域的運営推進機関」が設置した検証委員会は今後、当時のデータなどをもとに、適切な指示が出されていたかなどを検証する方針だ。

「北海道ブラックアウト」までの流れ
地震で停止した火力発電所
ブラックアウトなぜ起こる?
Q 北海道のブラックアウトで焦点となった周波数とは。
A 1秒間に電気がプラスとマイナスに入れ替わる回数のことだ。単位は「Hz」で、北海道を含む東日本のほとんどの地域では回数が50回なので、周波数は50Hzだ。今回の地震では、発電所の相次ぐ停止などで、周波数が50Hzよりも大幅に下がった。
Q 周波数が下がるとはどういうことか。
A 自転車にたとえると、5人で1台の自転車をこいで坂道を上っているのに、1人がこぐのをやめれば、他の人の負担が大きくなり、回転が遅くなる。発電機も同様で、大きな出力を持つ発電所が止まると、他の発電所の負担が重くなり、周波数が低下する。これは発電機の損傷につながる。
Q どう対処するのか。
A ルートを緩い坂道に変更すれば、こぐ人が減っても、負担は軽くなる。今回の地震では、一部地域を強制的に停電させて需要(消費量)を減らし、残っていた発電所の供給力(発電量)に見合うようにして、負担を軽くした。しかし、最後はこれらの発電所も持ちこたえられなくなり、 自ら運転を停止してブラックアウトとなった。

2018年9月15日土曜日

日本料理店「あら井」で食事

今日は9月15日(土)、朝から小雨で、気温は22℃、凌ぎやすい一日となりました。京急横須賀中央駅から徒歩1分、セントラルホテル9Fの日本料理店「あら井」で食事してきました。3連休の初日とあって、店内は満席状態でしたが、前もって個室(日本間)を予約しておいたので、赤・白ワインを飲みながら、ゆっくりと、心地良く、美味しい料理を堪能してきました。

セントラルホテル
セントラルホテル入口
日本料理店「あら井」(セントラルホテル9F)
日本間個室
前菜(松茸、バイ貝、銀杏、零余子)
椀(月見豆腐、ハモ)
造り(トロ、アワビ、肝)
強肴(和牛肉)
煮物(ムツ)
評判の産地直送(伊勢原市)寿雀卵
食事(寿雀卵ご飯、2膳頂く)
デザート

2018年9月14日金曜日

横浜応接所におけるペリー艦隊への饗応料理

嘉永7年1月16日(1854年2月13日)、ペリー提督が再び浦賀に来航した。同年7年2月10日(1854年3月8日)、横浜応接所で最初の日米会談が行われた後、日本側はアメリカ側に豪華な本膳料理を出してもてなした。当時、日本では、肉食が基本的に禁じられていたので、素材は海産物・農産物が中心であった。献立の記録は、添田日誌に残されている。

参考資料1:添田日誌、武州橘樹郡市場村(現鶴見区)名主、添田七郎右衛門知通が、横浜に上陸したペリーたちの様子を聞き書きした日誌
参考資料2:横浜開港資料館
http://www.kaikou.city.yokohama.jp/kids/kids01.html
参考資料3:ようこそ大船庵へ
http://www.hh.em-net.ne.jp/~harry/index.html

ハイネ「ペリー艦隊横浜応接所上陸図」
(参考資料2より転載)
添田日誌1(参考資料3より転載)
添田日誌2(参考資料3より転載)
添田日誌3 (参考資料3より転載)

2018年9月13日木曜日

「第二海堡上陸トライアルツアー」・「横須賀海堡丼」

東京湾・横須賀沖の「第二海堡」は、明治期に造られた人工島要塞で、2005年以来、上陸は原則的に禁止されていたが、解禁され、8月24日より「第二海堡上陸トライアルツアー」が始まった。これに呼応して、横須賀市の飲食店・ホテルの4店が、15日から「第二海堡」をイメージした「横須賀海堡丼」の販売を順次開始する。
「第二海堡上陸ツーリズム推進協議会」では、平成31年度中に、横須賀から第二海堡に上陸できる「定期ツアー化」を目指している。

上陸トライアルツアーが始まった第二海堡
2016年6月12日、遊覧船より撮影
「横須賀海堡丼」販売報道(読売新聞、2018年9月13日号)

北海道ブラックアウト

2018年9月6日午前3時7分、北海道南西部、胆振(いぶり)地方を震源とする最大震度7の地震が発生した。13日で1週間、国内で初めて管内全域が停電となった前代未聞の「北海道ブラックアウト」の経緯が、読売新聞に掲載された。

画像:読売新聞2018年(平成30年)9月13日号より転載
1 地震発生時(電力の需要と供給がバランス状態)
6日午前3時7分、北海道地震発生。苫東厚真火力発電所(出力165万kW)の1、2、4号機が、約300kwの道内需要の半分を賄い、フル稼働していた。周波数は、50Hzに保たれていた。

2 地震発生直後(電力の需要と供給のバランスが崩れる)
午前3時8分、震源に近い苫東厚真の2号機(60万kw)と4号機(70万kw)の配管やタービンが損傷し、相次いで緊急停止した。1号機(35万kw)は持ちこたえて稼働を続けたが、電力の需要と供給のバランス崩れ、周波数が低下した。

3 一部地域を強制停電し電力の需要と供給のバランスを維持する 
大規模な発電所が停止すると、他の発電所に負担が掛り、損傷に繋がるため、地震発生から数分後、一部地域を強制停電し、需要と供給のバランスを計った。周波数は50 Hzに回復した。地震発生から10数分後、また周波数が急落、2回目の強制停電、需要と供給のバランスを計った。周波数は50Hzに回復した。

4 電力の需要と供給のバランスに失敗
3回目の周波数急落が発生。強制停電は不発。電力の需要と供給のバランス回復に失敗した。 

5 北海道ブラックアウト
6時25分頃(地震発生から18分後)、苫東厚真1号機、奈井江、伊達、知内、北本連系線が次々と停止、全ての発電所が止まり、北海道ブラックアウトが発生した。

6 周波数変動 
電力会社から各家庭や工場に送られてくる交流周波数は、静岡県富士川を境にして、東側が50Hz、西側が60Hzである。周波数変動は、各種の電気機器に与える影響が大きく、常に一定になるように送電されている。周波数を一定に保つには、電力の需要(消費量)と供給(発電量)のバランスを保つ必要がある。需要が供給を上回ると周波数は低下し、逆に需要が供給を下回ると周波数は上昇する。
周波数は、自転車の回転数に例えられる。例えば、3人乗り自転車で、急な坂道を上っている場合を想定する。3人全員でこいでいる時には、回転数(周波数)は滑らかで、スムーズに坂道を上ることができる(周波数、正常の状態)。この時、3人の中の1人がこぐのを止めてしまうと、残りの2人に負担が掛かり、回転数が下がり、スピードも落ちてくる(周波数、低下の状態)。続いて、もう1人が離脱すれば、こぎ手は1人となり、回転数、スピードは極度に低下し、ふらつきも発生、最後には、自転車は転倒してしまう(発電所ダウンで、ブラックアウトの状態)。